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連載⑭



第十四回 「公開延期」 その①


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ここまで読んでいただいた方にはすでにお判りかと思いますが、

ここまでの文章は

2011年9月17日の公開に向けて書いていたものです。

しかし、3月11日、あの東日本大震災が起こります。

21世紀の日本のような先進国で、

2万人に近い人々が亡くなる大災害が起こるなど

想像すら出来ないことでした。

あまりにもの惨事でした。

その時点で『のぼうの城』は編集の最終段階を向かえていました。

映画での水攻めシーンは、まるで、

あの震災を予見したかのような描写でした。

スタッフの優秀さに改めて驚くと共に、

これはなんらかの対応をすべきであるし、

またしなくてはいけないと我々は考えました。

両監督とも話し合い、そして製作委員会での議論も経た上で、

最終的に公開延期が決定されます。

もちろん津波と水攻めは違います。

しかも水攻めは史実に基づいています

しかし、あのあまりに圧倒的な現実を前にして、

我々は公開延期を選択しました。

そして犬童・樋口両監督からの提案で、

本編に修正を加えることになります。

一つは水攻めシーンに関して。

もう一つはエンドロールに関してです。

水攻めシーンでの、人が水にのみ込まれるカットに関しては

修正を行いました。

直接的な表現の影響を考えてのことです。

そしてもう一つはエンドロール

決定稿でのラストは「現代の行田。田園。石田堤。」としていました。

ですから、2010年の秋に現代の行田市の様々な姿を撮影し、

それをベースにエンドクレジットを流す予定にしていました。

しかし、震災を受け、急遽、

春の行田市の姿も追撮することにしました。

その内容の詳細はここでは記しませんが、

それを組み込むことによって

より「時間の流れ」を強く感じられる作品になったと思っています。

もっと言えば「時間は信用に足る」ことが

表現できたのではないかと思っています。

そしてこの作業を経て、震災から一年後の今、

観ていただくに足る作品になったのではとも思っています。

一年余に渡る公開延期の間に驚くこともありました。

まず芦田愛菜ちゃん。

歌手デビューまでしてもはや大スターです。

そしてちよ役の尾野真千子さん。

渡辺さんの脚本によるNHK朝ドラ『カーネーション』で大ブレイク。

まさしくうれしい誤算でした。


(つづく)


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