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連載⑤




第五回 「脚本から小説へ」 その①


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和田/犬童/樋口の3クリエイターが揃った後、

僕は小川プロデューサーと

この映画の製作に向けての打ち合わせを重ねます。

まず時代劇に精通したスタッフに

概算で製作費を見積もってもらいました。

金額はおよそ15億円

そしていくつかの会社に製作委員会への参加を打診しました。

ただどの会社も興味を持ってはくれるのですが、

少ないパーセンテージ出資での参加の可能性のみ。

毎度のことではありますが(『メゾン・ド・ヒミコ』もそうでした)、

オリジナル脚本の映画化の難しさを感じます。

05年の夏には野村萬斎さんにのぼう役での出演をオファー。

そして引き続き大手映画会社へのプレゼンを行いますが、

製作委員会の組成はなかなか進みません。

はやり、オリジナル脚本で、

かつ今回は製作費も大きいという点がネックになっていました。

実写映画の場合、

ベストセラー小説や有名マンガを原作とした企画が成立する可能性は、

オリジナル企画よりも圧倒的に高い現状があります。

その理由は極めてシンプル、

有名原作ものの映画がヒットする確立の方が高いから。

タイトルや内容はすでに認知済みで、

誰が出演するかなどの宣伝からスタートする原作もの映画と、

そもそものタイトル認知からはじめなければならない

オリジナルもの映画では、

言うまでもなく圧倒的に後者の方が宣伝パワーも必要になるし

成功する難易度も上がるわけです。

もちろん有名マンガが原作だから

必ずヒットするというわけではありません。

しかし確率的にヒットする可能性が高いのは間違いの無い事実です。

こういった流れは現在に始まった訳ではなく

日本映画全盛期と言われる1950年代においても

その頃もっとも影響力のあった新聞小説を、

各映画会社が競って映画化しています。

僕も、05年の年末にはこのままでは製作委員会の組成は

難しいと感じる様になってきました。

そこで半ばやけっぱちで考えたのが、

「忍ぶの城」の小説を作ったらどうか

ということでした。

オリジナル脚本の映画化が難しいなら

原作となる小説そのものを作ってしまえというわけです。

これがかなり無謀な挑戦だということは充分に理解していました。

仮に出版できたとしてもベストセラーになる保証はどこにもありません。

ですが、他に突破口が見いだせなかったのです。


(つづく)
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