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連載⑥




第六回 「脚本から小説へ」 その②


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小説出版への課題は2つ。

1つ目は、和田さんは小説を書いてくれるか?

そもそも彼は小説が書けるのか?

2つ目はその小説を出版してくれる会社はあるのか?

まず、1つ目です。

最初から別の作家を立てるという考えはありませんでした。

彼のオリジナル脚本が全ての起点ですから

それは失礼だろうと思ったのです。

また彼の性格を考えても自分の作品を他者が翻案する

(今回の場合は小説にする)ことを許すとは

とうてい思えないという事情もありました。

僕はなんとなくですが、

和田さんは小説が書けるのではないかと思っていました。

彼の脚本には明確な文体があったからです。

簡潔でリズムがあり、そして高い美意識で統一されているのです。

それは台詞だけでなく登場人物の行動を描写する

ト書きの部分にもはっきりと表れています

(余談ですが彼はメールの文体も一貫しています。

そこまで美意識を貫くのかと半ばあきれ、半ば感心します)。

こういった脚本を書ける人はきっと小説も書けるはずだと踏んだ訳です。

あとは本人はやる気になるかどうかが問題です。

そこで小説執筆の依頼の前に2つ目の課題、

つまり出版社探しをスタートします。

まず、僕は小学館の文芸編集の石川さんに連絡を入れます。

彼とは05年の6月にはじめてお会いしたばかりでした。

映画化して欲しい小説があるので会いたいというのです。

出版社から直接小説の売り込みなど受けたことなどなかったので

とても驚いたことを憶えています。

お会いするとやたらと背の大きいモゴモゴしゃべる青年で、

この人は本当に社会人なのだろうかと心配になりましたが(笑)、

熱心にある小説の映画化を勧めてくれました

(ちなみにその企画は当社の手を離れましたが、

その当時の脚本を原型として後に映画化されました)。

その石川さんに脚本「忍ぶの城」を読んでもらうことにしたのです。

彼ならば小説の映像化には強い興味を持っているし、

この脚本の面白さも理解してくれるだろうと思ったのです。

反応は上々

しかし、この段階で小説として出版されたら

即映画化すると彼に約束するわけには行きません

あくまで映画化に向けて努力はするが、

実現化するか否かは状況によることを理解してもらった上で、

出版に向けての前向きな返事をもらいます。


(つづく)

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